現代社会を生き抜く術を考える

考察と日記を織り交ぜたブログです。

緊急地震速報の捉え方を考える

最近関東地方では地震が相次いでおり、5月6日、5月4日に「緊急地震速報」が発令されている。

今回は緊急地震速報について話したい。

 

緊急地震速報とは何なのか?

緊急地震速報気象庁が発表しており、大きく2種類に分けることができる。

「一般向け」の緊急地震速報

これはテレビ、ラジオ、スマートフォンの通知等で発表されるものであり、メディアなどで「緊急地震速報」と呼ばれているものはこれに該当することが多い。

最大震度が震度5弱以上と推定される場合に速報が流れるようになっている。

速報は震度が震源4以上と予測される地域に発表される。

たとえば2020年5月6日に起きた千葉県北西部を震源とする地震では、最大震度が震度5弱と予想され、緊急地震速報が出された。(実際の最大震度は震度4)

この地震で震度4以上の揺れが来ると予想された地域は千葉県、東京23区、埼玉県、神奈川県、群馬県南部など関東地方の幅広い範囲が該当した。

「高度利用者向け」の緊急地震速報

こちらはテレビやスマートフォンの通知等では発表されることはなく、限られた手段でしか速報を受信することができない。

個人でもウェザーニュースが提供している「the Last 10-second」や、ストラテジー株式会社が提供する「SignalNow X」などを使えば容易に受信することができる。

高度利用者向けの速報は一般向けと比べて発表される回数が非常に多く、最大震度が震度3程度の比較的小さな地震でも発表される。

「一般向け」緊急地震速報は必ずしも大地震が起きる場合にのみ発表されるとは限らない

 緊急地震速報(以下、「一般向け」の緊急地震速報を指す)はこれまで2018年の北海道胆振東部地震(最大震度7)、大阪北部地震(最大震度6強)、2016年の熊本地震(最大震度7)、2011年の東日本大震災(最大震度7)など、甚大な被害をもたらした巨大地震が発生した際に発表されている。

緊急地震速報は大変優れたシステムではあるが、緊急地震速報が発表されたとしても100%大地震が来るとは断言できないことは事実だろう。

これまでの緊急地震速報の中には発表されたにも関わらず小規模な地震すら発生しなかった例もある。(2013年8月8日に近畿地方を中心に発表された、最大震度7が予測された速報など)

今回の例(2020年5月6日に発生した最大震度4の地震)についても、「震度4程度で緊急地震速報を出す必要はないのでは」といった書き込みが少なからず存在しているし、「誤報」と捉えている人もいる。(予想が少し外れただけで厳密には「誤報」ではない)

緊急地震速報とはあくまでも最大震度が震度5弱以上と予想された地震について発表されるものであり、予想通りの揺れが来ない場合もある。

だからといって緊急地震速報が信用できないシステムというわけでは全くない。

先ほども述べたように過去10年日本国内で巨大地震が発生した際には必ずといっていいほど緊急地震速報が出されている。

直下型地震では緊急地震速報が出されてもほとんど時間の猶予がないことも考えられるが、速報によって数秒間自分自身を守るための時間が与えられるというのは防災の面で非常に重要で、素晴らしいシステムだと言える。

これからも日本のどこかで大きな地震が発生することが考えられるが、緊急地震速報とは何かを理解し、正しく防災を進めていくことが必要だろう。