現代社会を生き抜く術を考える

考察と日記を織り交ぜたブログです。

「人として軸がぶれている」男

今(2021年)からおよそ10数年程前に放映されたアニメである、「さよなら絶望先生」という作品を知っているだろうか。

 筆者は中高生の頃からこの作品が好きで、アニメを1期から3期まで全て視聴し、原作単行本にも手を出した覚えがある。

さて、この「さよなら絶望先生」アニメのOPは、「筋肉少女帯(通称、筋少)」で有名なミュージシャン、大槻ケンヂ氏が作詞している。大槻氏は筋少時代から優れた楽曲を数多く世に放っているが、彼の楽曲の中で最もお気に入りのものの1つに、「絶望先生」1期オープニングテーマである、「人として軸がぶれている」がある。

当時中高生時分の筆者には歌詞の真意がよく分からなかったが、大学卒業を控え、自らの進路を考える状況となって初めて、「軸がぶれている」とは何なのだろうか、と考えるようになった。

人生、「一貫性」が求められることは分かっているが・・・

人生を有意義に生きるためには、「一貫性」が必要だと感じる。一貫して何かに取り組むことで、知識やスキルが蓄積され、他の人には真似できない並外れた能力を獲得することにつながるからだ。

だがこの「一貫性」には問題点もある。それは、もし間違った方向に一貫して突き進んでしまうと、気づいた頃には自分の理想や目標とは程遠い所に行ってしまうという点だ。

人生にはGPSも地図もない。自分が進もうとしている道が正しいのか、今いる場所は自分がかつて望んでいた場所なのか、等を客観的に把握することは困難である。

それ故に人々、とりわけ一貫して物事に取り組むことに恐怖を感じる人は、日々軌道修正し続けながら人生を送ろうとする。もちろん上手く軌道修正ができれば、ただ一貫性を貫くだけよりもよっぽど効率的な人生を送ることができるだろう。

ただ、実際はそう上手くは行かない。自分の進むべき道を探し続けているうちに、やがて軌道修正をすることができなくなり、「迷走」を始めてしまうのだ。これこそが人生設計において最も注意すべき状態だろう。

迷走している状態が続くと、時間や労力を費やしたのに、手元には何も残らないという最悪の事態を招いてしまう可能性もある。登山に例えれば、正しいルートを探し出そうとするあまりあちこちの道を行ったり来たりしてしまい、結局体力や水食糧だけを消費して成果はゼロ、という感じだろうか。

確固たる軸を作るにはどうすれば良いのか?

就職活動においても、「どんな軸を持って企業選びをしてますか?」などと質問されることがある。

『そんなもん、「給与、福利厚生、残業時間、離職率、リモートワークの浸透度」だろ!』としか言いようがないのだが、こうも正直に言ってしまえば、無情にも不採用通知を受け取ることになってしまう。

これは今後の記事でも書く予定だが、就職活動における質問のほとんどは茶番である、だがこの茶番に抵抗し、馬鹿正直に受け答えするような人は、人生の「落伍者」への片道切符を握らされ、出口のないトンネルへと吸い込まれることになる。

つまる所、嘘をついてでも印象の良い「軸」を用意しなくてはならないのだ。

就職活動だけでなく、人生においても確固たる「軸」があった方が良いのは確かだ。軸を構築するためには、自分が人生において何を果たしたいか、それを果たすためには何が必要かを逆算して考え、適切な人生設計を作ることが必要なのだと思う。

軸がぶれ、人生そのものを棒に振ってしまう前に、自分の人生における目的を決定し、自ら少しずつレールを敷いていく努力が求められている。