日本で生きていくにあたって、「社会保障」についての知識を深めることは必要不可欠と言える。
病気や障がいを負うリスクはもちろん、高齢者になって以降の生活に関わるリスクも考える必要があるためだ。
社会保障制度の1つである「国民年金」は、20歳以上60歳未満の国民全員が加入することになっている。20歳を超えると、国民年金保険料を支払う必要が出てくる。
国民年金保険料の額は月16000円程度である。数十年前の額と比べると、高いなあという気分にもなるが、現代日本の状況を考えると仕様がない。
1年間の支出を計算すると、16000*12=19万円程度となる。学生にとっては、なかなか痛い出費だ。
国民年金保険料を払えない学生向けに、学生納付特例制度がある
国民年金には、「学生納付特例制度」と呼ばれる制度がある。これは文字通り、保険料を支払うことが難しい学生が、保険料の納付を遅らせることができる制度である。
大学在学中に支払う予定だった国民年金保険料は、大学卒業後に「追納」という形で行うことになる。追納の場合、通常よりも保険料がやや高くなってしまうが、きちんと支払えば将来貰える年金の額が減ってしまうことはない。
特例制度を受けている期間は、年金の加入期間にはカウントされるが、国民年金を額を決定づける「納付月数」には含まれない。
なお、国民年金を満額で受け取るためには40年(480カ月)保険料を支払う必要がある。
「追納」では、社会保険料控除が使える
大学卒業後、多くの人は社会人となることだろう。特例制度を使った場合、社会人となってからは「追納」という形で学生時代支払うはずだった国民年金保険料を支払うわけだが、このような場合に使える裏技がある。
国民年金保険料の支払いは所得税、住民税の「社会保険料控除」の対象となるのだ。年末調整などで申請をする必要があるが、税金を少しでも安くすることができるので使わない手はないだろう。
大学在学中でも、社会保険料控除を使える場合もある
親の扶養に入っている学生であれば、学生納付特例制度を使わず、自分の親に国民年金保険料を支払ってもらって、親の税金に「社会保険料控除」を適用させるという方法もある。
この場合は当然ながら親に保険料を負担してもらう必要がある。
特例制度を使わず追納で支払うよりも支払うべき金額は少なくなるので、可能であればぜひ実践したい。
国民年金についてさらに知りたい場合は、日本年金機構などに問い合わせてみるのがおすすめだ。