現代社会を生き抜く術を考える

考察と日記を織り交ぜたブログです。

「冬=乾燥」は多数派の理屈

テレビCMなどで、「乾燥する冬~」というフレーズが出てくることがある。

冬というのは確かに乾燥する季節だと言われているが、実はこれは日本全国全ての地域で当てはまるわけではない。

具体的に言うと、北海道の大部分の地域や本州の日本海側の人にとっては、冬は湿っぽい季節なのだ。

なぜかというと、これらの地域は冬季に雨や雪がよく降るからだ。だから、冬は乾燥するどころか、湿度に気を付けないといけないという具合なのである。

しかし、「冬=乾燥する」というのはもはや常識のように語られている。これは何故か。

答えは簡単。日本では、太平洋側が「多数派」で日本海側は「少数派」だからだ。

試しに、北海道と本州日本海側(青森から島根)の人口を大雑把に計算してみると、だいたい1500万人くらいになる。

これは、東京都の人口に毛が生えた程度の値だ。つまり、首都圏の1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)が束になってしまえば、北海道本州日本海側地域は、たちまち「少数派」になってしまうということだ。

それに太平洋側には、東京以外にも大都市がたくさんある。仙台・名古屋・大阪・広島…これらの地域の人口を加えれば、日本海側との差はさらに広がるだろう。

「数の論理」として考えるまでもなく、「東京+名古屋+大阪」の3大都市圏を有する太平洋側と、これといった大都市が札幌くらいしかない北海道本州日本海側を比較すれば、圧倒的な差で太平洋側に軍配が上がるのは間違いない。

だからこそ、冬には湿度が高い地域が少なからず存在するにもかかわらず、世間では冬は乾燥する季節だと捉えられているのだと思う。

日本海側が、「裏日本」と侮蔑的な呼び方で呼ばれなくなって久しいが、今でも表と裏の格差ははっきりした形で存在しているのだ。